社会問題の備忘録

生活の中に潜む社会問題を考える

子ども食堂運営のジレンマ

子ども食堂のボランティアをしていると様々な光景を目の当たりにします。

食料供給にやってきた母子家庭の親子。

食料を受け取ったあとに子どもさんが「お母さん、ハンバーグなんてすごく久しぶりだね」と言って本当に喜んでいる姿を見ると、子ども食堂のボランティアに参加してよかったという気持ちになりました。

こういう子どもたちには、真っ直ぐに育っていて欲しいなあと思いますし、何か夢を叶えるお手伝いもしてあげたいと思いました。

一方で、ドライブスルーでの食料供給の時に、外車に乗った男女がやってきて、当たり前のように食料を受け取って、ボランティアスタッフをあざ笑うように帰って行くというケースもあります。

どう見ても生活に困っていないような方々も実際にやってくるのです。

せっかく寄付していただいた食料をそういう方々に渡すのは非常に抵抗があるのですが、いらっしゃる方々に制限をかけたりすると、本当に支援が必要な方々に物資が届かなくなる可能性もあります。

ですので、いらっしゃる方々に制限をかけるというのは非常に難しいのです。

本当にジレンマをかかえながらの活動ですが、休憩時間にはスタッフ同士でいろいろな議論をしたりします。

メディアで子ども食堂が取り上げられると良い部分だけが見えますが、子ども食堂を運営している人たちは、このようなジレンマも抱えています。

個人的にいろいろ考えることも多いですが、ボランティアとして参加したからこそ見えてきたことはたくさんありますので、今後の活動に生かしたいと思います。

子ども食堂のボランティアに男性は必要

貧困の問題がかなりクローズアップされてから、全国的に子ども食堂が増えてきています。

私は、1人親家庭の約半分が貧困状態にあると聞いて非常に危機感を覚え、昨年から子ども食堂のボランティアに参加しています。

最初は、料理ができない自分がボランティアに参加して大丈夫だろうかと思っていましたが、全く問題はありませんでした。

私がボランティアで参加している子ども食堂では、食堂の運営だけではなく、食料供給の事業なども行っているのですが、とにかく膨大な量の物資に対応しなければなりません。

大量に届く物資への対応は完全に力仕事なのですが、子ども食堂のボランティアということで、ボランティアのメンバーは女性が圧倒的に多く、力仕事が非常に負担になっています。

また、食糧供給をドライブスルーで行う場合は、大声で交通誘導することもあり、男性の出番は思った以上にたくさんあります。

そういった点で、きちんと戦力になれているのは良かったと思っています。

基本的には、多くの子ども食堂で男手が不足していると思いますので、気になっている方は参加してみてはいかがでしょうか。

また、子ども食堂のボランティアは、様々な年代や職業の方とお話をする機会でもあります。

また、運営に協力してくださったり、物資を寄付していただいた企業の方ともお話をさせていただく機会もあり、非常に勉強になっています。

事故物件の問題について

国内で事故物件の増加が問題になっています。

事故物件とは、孤独死や自殺、殺人事件があった物件のこと。

最近では、特に「孤独死」や「自殺」で事故物件となるケースが増えているようです。

国内では、孤独死は約26,000件/年、自殺は約21,000件/年というデータがあり、かなりの数だなと思いました。

事故物件になった不動産価値は、どうしても下がってしまい、孤独死のあった物件では10%、自殺のあった物件では30%、殺人事件のあった物件では50%、価値が下がるそうです。

このような実態なので、不動産賃貸を行っている方は、自分の物件が事故物件になってしまうと経営的なダメージを受けてしまいますので、物件を貸す相手を選ぶようになってきています。

その結果、一人暮らしの高齢者が住む場所がなくなるということが問題になっており、賃貸住宅を借りようとした一人暮らしの高齢者の4人に1人が入居を断られているという事態が発生しています。

国内では、1人暮らしの高齢者数が、2000年の303万人から2019年には737万人まで増えており、この数はさらに増えることが予想されています。

最近では、物価が高くなったことよって、安い物件に転居しなければ生活できない1人暮らしの高齢者も増えてきています。

そういう方々が転居しようとしても物件を貸してくれないケースがもっと増えてくるのではないでしょうか。

何かしらの対応を考えていかなければならないですね。